【朝日新聞】福島第一原子力発電所で働く社員と家族のやり取り
メールの概要
- THE お涙頂戴広告。嘘くさすぎてクラクラする。
- 使命感を持って原発事故の対応に当たる東電社員の夫と、夫の心配をする妻の話。
「立ち去るわけにはいかない」東電社員、放射線との闘い
...
2011年3月18日5時33分
四つの原子炉が重大なトラブルに見舞われ、制御不能に陥った福島第一原子力発電所。最悪の事態だけは避けねば――。自衛隊などの放水活動が始まる中、原発内でも多くの人が過酷な状況下で闘い続けてきた。「もっと早く国ぐるみで取り組めなかったのか」「生きて帰って」。家族にもつらい時間が過ぎていく。
福島第一原発が制御困難に陥った15日、東電は現場での作業に直接かかわらない社員らを施設外に退避させた。
「もう会えないと思った。でも自分だけが立ち去るわけにはいかないと思った」。地震発生直後から作業にあたっていた東京電力社員は、家族に繰り返し言ったという。
家族の説明によると、この社員は地震発生時に原発の中にいた。激しい揺れに襲われた直後、高い津波に襲われ、施設内の燃料や機材が失われたという。「自然は怖い。地震と津波が重なるなんて」と振り返ったという。
ポンプ設備や最後の頼みの綱である緊急炉心冷却システム(ECCS)を起動しなければと、社員の自家用車のバッテリーや屋台の小型発電機までかき集めた。それでもシステムは回復しなかった。「外からの電力が断たれたのが一番悔しい」とも言った。
現場では数百人の社員や作業員が交代で作業にあたった。だが、余震が襲うたび、せっかく修理したところが再び壊れていったという。
余震で眠れず、備蓄のクッキーやレトルトの五目ごはんはのどを通らない。精神的に追いつめられた。
放射線をどれだけ浴びたのか。このまま爆発するのか。多くの人たちに放射線を浴びせる事態を招くのか。
東電の記者会見では、歯切れの悪い問答が繰り返されていた。それを知った社員は「中のことを、外の人は知らないんだ」と思った。「会社には、もうあきらめられているのか」とも。だが同時に「避難している住民が戻ってこられるようになるまで、ここを出てはいけない」と思っていたという。
この社員から現場の惨状を聞かされた家族は驚いた。地震が起きるまで、「世界最高の技術だから安全だ」という社員の言葉を家族は信じてきた。事故の際の被曝(ひばく)対策もできていると思っていた。
家族の一人はいう。「政府や東電は、現場で体を張る連中を見殺しにするのですか。今まで信頼してきただけに、腹立たしいのです」
◇
第一原発そばの社宅に住んでいた東電社員の妻は、作業に携わる夫の身を案ずる。
11日午後、激しい揺れに襲われた。タンスが倒れ、めちゃくちゃになった自室から、原発で働く夫に何度も電話をかけた。つながったのは深夜。「無事だ」。生きていることだけは分かった。その後、連絡は途絶えた。
4日後、避難した妻に短い携帯メールが届いた。
「飲み水が足りない。体調も悪くなってきた」
こんな状況の中で、日本全体に影響する重大な仕事ができるのだろうか。夫の家族の一人は心配する。「東電社員は一番責任ある立場だから、何も言えないのかもしれない。けれど家族としては、すぐにでも何とかしてほしい」。涙がこぼれた。
彼はまだ原発にいる。自衛隊の放水作業は始まったけれど、家族は胸がつまるようでテレビの画面を直視できない。(大谷聡、鈴木彩子、石田博士)
【朝日新聞】福島第二原子力発電所で働く女性社員の電子メール
メールの概要
- 福島第二原子力発電所で働く女性社員が東電本社の幹部に送ったメール
- メールの送信日時は23日正午過ぎ
- 送り主は46歳の事務職の女性社員
- 送り主の両親は行方不明
- 「社員みんな心身共に極限まできています。どうかご理解下さい」
過酷労働もう限界、両親は不明…原発の東電社員がメール
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2011年3月26日20時0分
東京電力の福島第二原子力発電所で働く女性社員が、東電本社の幹部に、現場の状況を電子メールで伝えてきた。事故を起こした企業の社員であり、被災者でもある立場の苦しさもつづっている。両親の行方はわからないという。
メールを受けた幹部はかつて女性の上司として第二原発で働いていた。幹部からメール転送された東電関係者が、社員の名と所属を伏せて記者に見せた。関係者は「いまの状況で見せることが適切なのか迷ったが、社員の希望でもあり、現場の様子を知る参考にしてほしい」と話す。
メールの送信日時は23日正午過ぎ。送り主は46歳の事務職の女性社員だ。次のような内容でつづられている。
「1F(福島第一原発)、2F(第二原発)に働く所員の大半は地元の住民で、みんな被災者です。家を流された社員も大勢います。私自身、地震発生以来、緊急時対策本部に缶詰めになっています。個人的には、実家が(福島県)浪江町の海沿いにあるため、津波で町全体が流されました」
「実家の両親は津波に流され未(いま)だに行方がわかりません。本当なら、すぐにでも飛んでいきたい。でも、退避指示が出ている区域で立ち入ることすらできません。自衛隊も捜索活動に行ってくれません。こんな精神状態の中での過酷な労働。もう限界です」
福島第一、第二原発では、2010年7月時点で東電の社員約1850人、関連会社や原発メーカーなど協力企業の社員約9500人が働いている。東電によると、9割が福島県内在住で、そのうちの7~8割は原発周辺の双葉地域の住民。事故後は東電、協力企業の地元社員だけでなく、全国から集められた社員らが交代で作業している。
「被災者である前に、東電社員としてみんな職務を全うしようと頑張ってます。特に2Fは、自分たちのプラントの安全性の確保の他に、1F復旧のサポートも同時にやっていた状況で、現場はまるで戦場のようでした。社員みんな心身共に極限まできています。どうかご理解下さい」
「今回の地震は天災です。でも、原発による放射性物質の汚染は東電がこの地にあるせいです。みんな故郷を離れ、いつ戻れるかどうかもわからない状況で、不安を抱え怒りを誰にぶつけてよいのか分からない! それが今の現実です」
社員は「この現実を社内外に届けてください」と伝え、本社の支援を求めている。(永田稔)
疑問
- メール送信主→(送信)→東電幹部→(転送)→東電関係者→(見せる)→記者
- 東電関係者って何者?関係者という肩書きの部外者が勝手にメールを見せている時点で怪しさ5割増し。
- 本当に「社員の希望でもあり、現場の様子を知る参考にしてほしい」と思っているなら東電が公式に、すべての記者に公表するよね?
- 46歳の事務職の女性社員が緊急時対策本部に缶詰め??何するの?
結論
よかった、両親が行方不明で緊急時対策本部に缶詰めの事務職の女子社員なんて居なかったんだね。
ところでasahi.comは広告料としておいくら万円貰ったの?
【毎日新聞】「僕のお父さんは東電社員です」どう見ても大人が書いた作文です、ほんとうにあr(ry
2011年05月18日の毎日小学生新聞の記事が発端。マスゴミは洗脳のターゲットを子供に定めたようです。
記事の概要
- 4月上旬、毎日小学生新聞編集部に届いた1通の手紙を紹介
- 手紙の送り主は東京都に住む小学6年生のゆうだい君(仮名)
- 父親が東電社員
- 東京都だが計画停電の対象地域に在住
- 手紙の内容
- 確かに東電も悪い
- しかし原発を造ったのは東電だけでなく国民全員の責任
- みんなで対策を話し合うべき
疑問
- 記事より「東電の一員として批判を浴びる父親の姿を見ながら」
- どこで批判を浴びる姿を見たの?
- 被災地でもない限り、フツーの日本人は子供の目の前で親を非難したりしませんよね?陰口は言いまくるだろうがww
- そうか、テレビで罵声を浴びせられる東電役員の中にお父さんがいたのか。50過ぎのジジイの子供が小学6年生…絶対ないとは言い切れないが違和感ありまくり。
- 手紙の中で父親のことを「お父さん」と書く(国語の授業で敬語を習う時に目上の人には「父」と言う、と習います)残念な子が…
- 話の展開がしっかりしている、えぇ、不自然なくらい
- 北村龍行さん批判のあたりは無理がありすぎ。個人的に恨みがあるのか?
- 原発擁護もまた、しっかりしている(思想が原発推進側に偏っているが)
- 締めが「みんなで話し合うことが大切」
- あれ?東電社員の父親の擁護よりも話し合いの提案?
- で、最後にお便り募集。どう見ても新聞社のネタ探しです。
結論
東電からの広告費とお手軽に紙面を埋める方法の2つを同時にゲット。(゚д゚)ウマー
問題の記事
ルビは削除しました。
東日本大震災:福島第1原発事故 毎小編集部に手紙(その1)
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◇「僕のお父さんは 東電の社員です」
4月上旬、毎小編集部に小学6年の男の子から一通の手紙が届きました。文面は、「突然ですが、僕のお父さんは東電(東京電力)の社員です」と始まります。そこには、福島第1原発の事故で、東電の一員として批判を浴びる父親の姿を見ながら、原発について考え続けた彼の意見がつづられていました。【小丸朋恵】
手紙を送ってくれたのは、東京都に住む、ゆうだい君(仮名)。
3月27日の毎小に掲載された「NEWSの窓」の記事「東電は人々のことを考えているか」を読んだことが、手紙を書いたきっかけです。
この記事では、東京電力が福島第1原発の事故をおさめることに失敗し続けていることや、電力が不足するため、関東地方を中心に地域を分けて順番に電気を止める「計画停電」を行ない、多くの人に不便な生活を強いていることを挙げて、東電の責任を追及しています。
ゆうだい君は、「たしかに、ほとんどは真実です」と受け止めた上で、こう反論します。
<ですが、(記事の)最後の方に「危険もある原子力発電や、生活に欠かせない電気の供給をまかせていたことが、本当はとても危険なことだったのかもしれない」と書いてありました。そこが、無責任なのです。
原子力発電所を造ったのは誰でしょうか。もちろん、東京電力です。では、原子力発電所を造るきっかけをつくったのは誰でしょう。それは、日本人、いや、世界中の人々です。(中略)発電所を増やさなければならないのは、日本人が、夜遅くまでスーパーを開けたり、ゲームをしたり、無駄に電気を使つかったからです。
そう考えていくと、原子力発電所を造ったのは、東電も含み、みんなであると言え、(中略)みんなも無責任であるのです。>
この手紙が書かれた3月末から、さらに1か月半がたちました。福島第1原発の復旧作業はいまだに一進一退が続いています。14日には、中部電力が浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)1~5号機すべての原子炉の運転を止め、あらためて地震や津波への安全対策を見直すことになりました。
日本社会は今、原発から放射性物質が広がる不安と、電力が不足する心配で世論が揺れ、「原発をやめるべきだ」「いや、原発は重要なエネルギー源の一つ」などの議論が高まっています。
そこで、ゆうだい君の手紙は、こう締めくくられます。
<(原発について)みんなで話し合ってきめるべきなのです。そうすれば、なにかいい案が生まれてくるはずです。>
先日、ゆうだい君本人に会い、手紙を書いた時の気持ちを聞きました。手紙を書いたのは、3月27日の毎小を読んですぐ。それまで計画停電で学校や塾が早く終わり、考える時間がたくさんあったので、数時間で一気に手紙を書き上げたそうです。ゆうだい君は<「自分とは違ちがう意見を聞きけば、さらに考えが深まります。今は、いろいろな意見交換ができる場所が必要です」>と話していました。(手紙は2面に紹介しています)
原発は必要なのか、いらないのか。必要であれば、誰が管理して、どこに置くのか。いらないのであれば、エネルギー不足にどう対処するのか。クラスの友だちや家族と話し合ってみてください。そして、ゆうだい君の意見を読んで考えたことを、編集部に手紙で送ってください。紙面で紹介します。
【手紙の宛先】
〒100-8051
毎日小学生新聞
「ゆうだい君への手紙」係
毎日小学生新聞 2011年5月18日
東日本大震災:福島第1原発事故 毎小編集部に手紙(その2止)
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◇ゆうだい君の手紙(一部省略しています)
◇ぼくは、みんなで話し合うことが大切だ、と言いたい
突然ですが、僕のお父さんは東電の社員です。
3月27日の日曜日の毎日小学生新聞の1面に、「東電は人々のことを考えているか」という見出しがありました。(元毎日新聞論説委員の)北村龍行さんの「NEWSの窓」です。読んでみて、無責任だ、と思いました。
みなさんの中には、「言っている通りじゃないか。どこが無責任だ」と思う人はいると思います。
たしかに、ほとんどは真実です。ですが、最後の方に、「危険もある原子力発電や、生活に欠かせない電気の供給をまかせていたことが、本当はとても危険なことだったのかもしれない」と書いてありました。そこが、無責任なのです。
原子力発電所を造ったのは誰でしょうか。もちろん、東京電力です。では、原子力発電所を造るきっかけをつくったのは誰でしょう。それは、日本人、いや、世界中の人々です。その中には、僕も、あなたも、北村龍行さんも入っています。
なぜ、そう言えるのかというと、こう考えたからです。
発電所を増やさなければならないのは、日本人が、夜遅くまでスーパーを開けたり、ゲームをしたり、無駄に電気を使ったからです。
さらに、発電所の中でも、原子力発電所を造らなければならなかったのは、地球温暖化を防ぐためです。火力では二酸化炭素がでます。水力では、ダムを造らなければならず、村が沈んだりします。その点、原子力なら燃料も安定して手に入るし、二酸化炭素もでません。そこで、原子力発電所を造ったわけですが、その地球温暖化を進めたのは世界中の人々です。
そう考えていくと、原子力発電所を造ったのは、東電も含み、みんなであると言え、また、あの記事が無責任であるとも言えます。さらに、あの記事だけでなく、みんなも無責任であるのです。
僕は、東電を過保護しすぎるかもしれません。なので、こういう事態こそ、みんなで話し合ってきめるべきなのです。そうすれば、なにかいい案が生まれてくるはずです。
あえてもう一度書きます。ぼくは、みんなで話し合うことが大切だ、と言いたいのです。そして、みんなでこの津波を乗りこえていきましょう。
毎日小学生新聞 2011年5月18日
返信等つづき
ちょいちょい香ばしいのが紛れ込んでいるな…
ゆうだい君の手紙:/上 東電と原発、キミはどう思う?(その1)
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5月18日の毎小で、東京電力につとめる父親を持つゆうだい君(東京都・小6)の手紙を紹介しました。「原子力発電所を造ったのは、東電を含み、みんなであると言える」「(原発について)みんなで話し合って決めるべきなのです」と、福島第1原発事故の責任を東電だけに負わせようとする世論や、大量の電気を消費する日本人の生活に疑問を投げかける内容でした。この手紙を読んだ全国の読者から、さまざまな意見が編集部に届きました。その一部を紹介します。(ゆうだい君の手紙は2面に再掲しています)
◇全国の読者から反響、批判されてもプロとして力発揮を
●大変なのは東電だけじゃない
ゆうだい君の「みんなで考える」といういう意見には大賛成です。でも、東電の社員ばかりに責任はないと言いたいようなゆうだい君の考え方は甘いと思います。
原子力をやめて、新エネルギーを開発していく方向性はもっと実行してほしいし、日本人のぜいたくな生活を変えていくことも必要です。しかし、全国の原子力発電所を縮小、もしくは廃止するのであれば、ゆうだい君のお父さんを含む、多くの人が失業してしまうことになるでしょう。今の東電の一挙一動が今後の日本の原子力発電の在り方を決定づけていくのです。
ゆうだい君のお父さんや東電の社員は、職務を全うすべくプロ意識を持って行動するのは、当然だと思います。
僕の父は、国家公務員です。東電だけでなく、仙台空港、福島空港などの航空局、海上保安庁などで働く国家公務員も命がけで職務を全うしているのです。父は自分の仕事に誇りを持っています。ゆうだい君のお父さんもそうでしょう。少しくらいマスコミや評論家に批判されても(その人たちの仕事はそういうものです)、自信をもって、持てる力を発揮してほしいです。大変なのは東電の人ばかりではないのです。
僕たちは、毎日勉強できる環境、毎小を購読できることに感謝して、今僕たちにできることを精いっぱいやって、いつか日本の役に立たつ大人になりましょう。(北海道稚内市 O・N君 小6)
●東電だけが悪いんじゃない
私はゆうだい君の手紙をよんで、涙がぽろぽろでてきました。ゆうだい君は、「たしかに、ほとんどは真実です」と受けとめています。私だったら、真実ですなんて受けとめられません。
東電の人々は、危険なのに一生けん命がんばっている。人々はその事を受けとめていません。テレビや新聞で、「東電が悪いんだ」といっただけで人々は、東電が悪いと思いこみます。人間は、そういうところがだめだと思います。これから、家族や友達ともだちと原発について話し合いたいと思います。(T・Kさん)
●まずは、謝るべきだ
今、原発の事でいろいろなことがおこっている。東京電力は、自分の家へ帰れなくなってしまった人たちに、頭を下さげて、「申しわけございませんでした」とあやまっていくのが普通だと思う。
ゆうだい君の言いたいことは、ものすごく伝わる。しかし、今はそんなことを言わないで、日本全体が力を合わせて、なしとげるべきではないか。もう一度あえて東電に告ぐ。原発のせいで家へ帰れなくなった人にしっかりとあやまるべきだ。(大阪府堺市 U・R君 小5)
毎日小学生新聞 2011年5月30日
ゆうだい君の手紙:/上 東電と原発、キミはどう思う?(その2止)
↑手紙の文章を再掲
ゆうだい君の手紙:/中 東電と原発、キミはどう思う?(その1)
...
昨日に引き続き、毎小編集部に届いたゆうだい君(東京都・小6)の手紙を読んだ全国の読者の意見を紹介します。
◇具体例をあげて反対・賛成を
●福島にあることが、おかしい
事故のことを聞きいてから、私は正直おかしいと思いました。東京の人たちが使う電気を、福島でつくっている。そのせいで、福島の人たちは、被害を受けている。地震が起こるのは、誰にも止められないから文句は言えませんが、福島に東電の発電所があるのは、私はおかしいと思います。
ゆうだい君の言っている通り、おそくまでパチンコなどのゲームをしたり、ムダな電気を使ったりしなければ、たくさん電気を使わなくてすむのです。
私がよく行く美容院の美容師さんは、こう言っていました。「夜は暗いもの。昼間のように明るくして遊ぶのではなく、夜は家で寝るんだよ」と。
私も、節電を心がけています。学校の友だちも協力しています。だから、大人の人たちも、協力してほしいです。(岐阜県岐阜市 K・Nさん 中1)
●日本人がまとまるチャンス
私は別に、東電をひいきにしているわけでもなく、反原発と思っている人の味方というわけでもありません。ただ私が望むのは、地しんで家をなくした人や、家族、友人、親せきを失い、つらい人などが、また笑顔でくらせる日がくることです。
個人的な意見を言うと、「原発はやめるべきだ」という意見は、原発をひていしているだけで、これからどうやって電気をつくるのかなど、もし原発をすべて止めたときの具体的な方法などがありません。私は、それがなっとくいかないのです。
政治でも「○○は中止すべきだ」「××はじにんしろ!」というようなことはよく聞きます。それなら、「○○を中止にしたあとに、□□を代わりに使ったほうがよい」、こちらのほうが「うーん」となりませんか? 「なるほど!」と思いませんか? 私は具体的な例をあげた上で反対・賛成をしてもらいたいです。
今、日本は最大の危機におちいっています。私はプラスに考えました。今は、日本人同しが、世界がつながる、まとまるチャンスです!(群馬県桐生市 ペンネーム・ありすさん)
●原発だって温暖化につながる
ぼくは、ゆうだい君の手紙のほとんどが正しいと思います。しかし、「原発を造らなければならなかったのは、地球温暖化を防ぐため」というのはおかしいと思います。
たしかに原発なら二酸化炭素は出ません。しかし、原発のタービン建屋の中では、燃料ぼうをくぐらせた熱湯を海水で冷やし、海水をそのまま海にもどしています。これでは、ただ海をあたためているだけだというのが僕の意見です。(東京都杉並区 S・Z君)
●被災者の気持ちを
ひさいしゃの人の気もちもかんがえてほしい。でも、学校で「あのじこをおこしたげんしりょくはつでんしょではたらいていたお父さんの子どもやでー」とか言っている人がいたらゆるせない。(大阪府堺市 U・T君 小2)
●原子力にたよりすぎ
ゆうだい君の意見にとても感心し、説とく力があると思いました。しかし、やはりぼくは東電には反対です。東電は、わざわざきけんな原子力発電所をつくり、がんがん動かし、きけんを背負いながら動かしています。なので、つ波がくるとこわれて、今のように、人に害をあたえます。それにくらべて、火力発電、水力発電、風力発電などは原子力発電にくらべ、事故はありません。やはり東電、日本は、原子力発電にたよりすぎです。火力、風力、水力に信らいを置き、どんどん使っていけば、発電所はより安全になり、事故はなくなるはずです。
もう一つ、市民の電気の使いかたは、一日のテンポを早くすれば、朝は電気をつかわず、夜早くねれば、かなり電気をつかわなくてすむと思います。やはり、一人一人の心がけが大切だと思います。(神奈川県相模原市 I・K君 小5)
毎日小学生新聞 2011年5月31日
ゆうだい君の手紙:/中 東電と原発、キミはどう思う?(その2止)
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◇電気を望のぞんだ、国民全体の責任
●みんなが節電すべきだ
私は、ゆうだい君の意見に賛成です。私のお父さんも東電の社員ですが、ここまで東電を追いつめるのは少しおかしいと思います。
そもそも、地球温だん化が進んでいるというのに、まったく努力をしない人々がおかしいと思います。電気は大切にしなければならないはずなのに、人々が使わない部屋の電気をつけっぱなしにしたり、夏にはクーラーやせん風機を人がいない時もつけているなど、おかしいと思います。
一人一人は小さな力だけど、みんなが節電すれば大きな力になると思いました。人間はだめな動物です。心がなくて人の気持ちを考えられないのが今の人間だと思います。(東京都江戸川区 S・Aさん 小5)
●心の豊かな社会を築いて
ゆうだい君の考え方は間違っていない。今は、自分に都合のいい考え方をする人があまりにも多すぎます。東電だけの責任ではなく、そこまでして電気を作りだすことを望んだ、国民全体の責任なのです。
私は農業をしています。1999年9月30日、茨城県ではJCOで放射能が飛び散る事故がありました。今と同じで、茨城県産の農作物が全く売れなくなってしまいました。東京の市場に行き、買ってくれるようお願いをし、夜、高速道路を茨城へと帰ってきました。その時見た、まばゆいばかりの東京の夜景が今も忘れられません。
東京の人たちは、この電気がどこから来きて、どんな人が命がけで働いているのか考えたことがあるのかとむなしくなりました。このあかりを少しでも消したなら、こんなに原発をつくらなくてもすむのに……。人は一度ぜいたくをしてしまうと、元へはなかなか戻れません。
今、世の中は何か起こると、すぐに「誰の責任」と言います。でも、責任は自分にあるのです。人は勝手です。我慢はせずに不平を言う。その気持ちを変えることが大切です。
私はすでに70歳を超えました。やがてゆうだい君たちが背負うであろう次の世代には、心の豊かな社会を築いてほしいのです。ゆうだい君のような、しっかりした考えの若者がたくさん育ってきてくれることを期待しています。(茨城県小美玉市 70歳代 N・Aさん)
毎日小学生新聞 2011年5月31日
ゆうだい君の手紙:/下 東電と原発、キミはどう思う?(その1)
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◇全国の読者から反響
◇お金より命を大事にする大人に
5月18日の毎小で紹介したゆうだい君(東京都・小6)の手紙を読んだ全国の読者が、さまざまな意見を編集部に寄せてくれています。今回も、その一部を紹介します。引き続きみなさんの意見を募集し、今後をお届けする予定です。
●東電や政府は逃げずに問題解決を
確かに、よく考えてみると、福島原子力発電所で働いている東電の方も、被災者のような生活をしながらも、日本のために働いてくれていることに気づきます。原発で働いている方々に、なぜ世の中は批判ばかりして、協力しようという気持ちを持てないのだろう。政府だって、東電だって、支援者、ボランティアの人だって、一生けん命考かんがえて行動しています。以前、小学校で教わったことがあります。「反対する場合は、理由と今後どうすればいいかを述べる」。今はそれに行動をプラスして、日本全体が団結し、意見を出し合うべきだと思います。
しかし、だからといって、東電や政府に責任がない、というわけではないのです。しっかり責任感を持ち、被災者の方々がどうすれば安心して暮らせるか、常に考えてもらいたいです。最近よく聞く、「責任をとって辞任させていただきます」では、逃げるのと同じ。責任をとるというのは、自分の責任で起こしてしまったことをしっかりと解決することだと思います。(静岡県富士市 T・Yさん 中1)
●地震で学んだことを忘れずに
今、東北の人々はとてもがんばっています。でも、そうでない人たちは、電気をつけっぱなしにしたり、ゲームを夜遅くまでしたりと電気のむだ使いをたくさんしています。ゆうだい君の言うとおり、原発についてみんなで話し合って決めるべきだと思います。私は、もう何年かたてば、みんなの記おくから地震のことはきえていくと思います。でも、この地震で学んだことをわすれずに、大切にしていきたいと思います。(福岡県福岡市 H・Mさん 小6)
●東電はもうけを重視した
君がお父さんの仕事をかばう気持ちはわかります。でも、君の意見の進め方には少し無理があると思いました。
大人の仕事では、何よりも責任をとらなければいけないのは、「人の命の安全」です。東京電力は、その「安全」について全力で配慮していたか? 答えは「NO」といえるでしょう。電気がたりなくなってきたとき、東京電力には二つの手段がありました。一つ目は節電のお願いをする。二つ目はもっと電力をつくる。東京電力はこちらを選えらびました。東京電力、いや世界の電力会社は、さらに電力をつくる手段として「原子力発電」を選びました。
なぜ原子力で発電をすることになったか。原子力で発電をすると、あまりお金がかからないですむからです。つまり、そのぶん、電気を売っている、東京電力という会社がお金をもうけることができるからです。原子力には危険があることは分わかっていました。でも原子力を続けるために「危険ではない」と宣伝しました。すべては、安全よりも「もうけ」を重視してきた結果です。
もちろん、お金もうけは悪いことではありません。みんなが喜ぶことでお金をもらうのは嬉しいことですし、適切に使うことで経済が好転し、豊かになります。しかし、安全をないがしろにしてはいけません。みんなでアイデアを出し合って、答えをえらぶとき、少々の「もうけ」よりも、命を大事にする大人になってください。(東京都小平市 3児の母 K・Nさん)=2面につづく
◇まだまだ募集
引き続き、ゆうだい君への手紙を募集します。全国の読者から届いた今日の紙面の意見も読み、自分なりの考えをまとめてみてください。住所、名前(読み方も)、学校名、学年を書いて、次の住所へ送ってください。 〒100-8051 毎日小学生新聞「ゆうだい君への手紙」係
毎日小学生新聞 2011年6月1日
ゆうだい君の手紙:/下 東電と原発、キミはどう思う?(その2止)
...
<=1面からつづく>
◇原発を止めるのではなく
●電力会社がないと生活ができない
私はゆうだい君の手紙を読んで、お父さんが東京電力の社員と書いてあったので、とてもびっくりしました。テレビで東京電力の人にどげざしろとおこったり、はやく住民の安全を確保しろとつよく言ったりしている人を見たことがあります。でも私は、電力会社がないと電気もつかないし、ゲームもできないし、テレビも見られないので、すごく私たちの生活にかかせない人たちだと思います。東京電力にどげざしろと言ったりしている人たちも、電気がないと生活ができません。だから、言えるたちばではないと思います。(福岡県福岡市 A・Kさん 小6)
●私たちは原発の恩恵を受けている
率直に言うと、私は「原発は必要である」と思っています。原発に頼らなければ生活ができないという現実が目の前にあるからです。一か所の原発が止まってしまっただけで始まった節電の嵐は、今後収まる気配もなく、これから来る暑い夏場への懸念も高まるばかり。さらにほかの原発も止まったら……と思うと、ちょっと恐ろしいくらい。
「原発を止めろ」と言っている人間は、電気を使う資格がありません。今の世の中、電気を使わずに生きていくなんて、本当の自給自足の生活をするしかない。そんな覚悟もなく、ただマスコミのあおりを真に受けて批判をしている人は、もっと視野を広げ、自分が日常生活を送るための恩恵をどこから得ているか、受けとめるべきではないかと思います。今すぐ原発を止めるのではなく、徐々に代わりのエネルギーに移行していくのが一番の妥協案なのでは? というのが私の意見です。(東京都世田谷区 I・Sさん 大学4年)
(手紙は一部省略しています)
毎日小学生新聞 2011年6月1日
関連
東電の広告費…。
東京電力の広告関連費250億円 / 広報担当者「見直し対象かどうかも言えない」
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2011年5月17日
重大な事故を起こしたにもかかわらず、役員報酬などの減額が少なすぎると非難されてきた東京電力。現在、賠償金支払いのために不動産などの資産売却を検討しているが、なぜか「広告費」については見直しを検討していないという。
この事実は、5月17日朝刊で東京新聞が報じたことにより発覚。なんと広告費が2009年度は250億円も使われており、その費用については現在「見直し対象かどうかも言えない」と、実際に東京電力の広報担当者が言ったそうだ。
原発事故による電力供給不足のため、節電を呼びかける広告も在京6紙、地方7紙に掲載しており、広報担当者のこの発言が確かならば今年度についても数百億を広告費を通常通り使用するとも解釈できる。
なぜ、これから多額の賠償金を支払わなければならないのに広告関連費については見直さないのか? 疑問に思う人は多いだろう。賠償のため電気料金を上げるのであれば広告費や土地、株式などの資産を売却し、すべて綺麗にしてから国民にお願いし、理解を得るのが普通の考えではないだろうか。
本日の東京新聞には広告関連費の以外にも、東京電力からのマスコミへの圧力に対する報道などもあった。現在国民が関心を寄せている情報をいち早く報じているので、気になる人はチェックすることをおススメする。