「総括原価方式」―10年間で6千億円余計にむしりとる
現行の「総括原価方式」はコストをかければかけるほど利益が増える方式。清水のコストカット手腕(笑)。
2011年09月に政府から指摘される。
東電の料金、高めに原価設定か 経営・財務調査委が指摘
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2011年9月6日21時14分
東京電力の資産の実態などを調べる政府の経営・財務調査委員会(委員長・下河辺和彦弁護士)の6日の会合で、同社の電気料金の原価を過去10年分調べた結果、見積額が実績を常に上回り続けている項目があったことが報告された。調査委は、電気料金を必要以上に押し上げていた可能性があるとみて詳細を調べる。
調べたのは、家庭向けの電気料金を算定する際の「総括原価方式」。人件費や燃料費、修繕費など1年間にかかると想定する原価に、必要な利益を上乗せして料金を決める方法だ。
下河辺委員長は会合後の記者会見で、「見積もったコストより実際はかかっていないものが多い。10年間分を累積すれば、(その差は)看過できないものになっている」と指摘。原価算定が妥当だったかを、さらに検証する考えを示した。
電力料金制度見直し意欲 経産相 「総括原価方式」にメスも
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2011.9.17 05:00
枝野幸男経済産業相が大手電力の電気料金制度について「ゼロベースで見直す」と意欲をみせている。現行の「総括原価方式」は、電力会社がいくら経費をかけても利益が確保できるため、コスト削減意識を鈍らせているとの批判があるからだ。政府は、総括原価方式の枠外にある新規電力の料金制度を参考にしながら、電気料金制度の見直しを本格化する。
枝野経産相は就任後、電気料金の値上げを検討中の東京電力に対して「これまで十分にコスト縮減の努力がなされていたとはいえない」と指摘している。 総括原価方式は、大手電力が独占している小口の電気料金制度。価格が市場競争で決まらないため、人件費や燃料費などの発電コストに利益を上乗せした総括原価を基に料金を決める。利益額は発電所などの資産額に応じて決まり、資産が大きいほど利益が膨らむ。このため「電力会社が余分な設備を持ちやすくなる」との批判も多い。
一方、2000年に大口需要家市場の自由化で参入したPPS(特定規模電気事業者)は総括原価方式の対象外にある。余分な設備を持てば利益を圧迫することになり、効率性を追求した経営による低価格サービスで顧客獲得に乗り出している。
PPS最大手エネット(東京都港区)は今夏、電力需給が逼迫(ひっぱく)しそうな時間帯を前日に契約世帯に知らせ、減らした分を翌月の電気料金から割り引く「デマンドレスポンスサービス」を首都圏9マンションに試験導入。参加世帯の4割が35~40%の電気料金を削減した。
エネットは、各需要家の電気使用量を時間帯別に計測できる「スマートメーター」をいち早く導入。発電所を増やすのではなく節電を促すことで需給を調整し、低価格で電力を供給できるようにした。
総括原価方式にメスが入れば、大手電力もコスト削減を迫られる。政府はエネットのような新規電力の料金制度の検証を進めており、大手電力でも同様の制度が広がる可能性もある。(滝川麻衣子)
電気料金原価、6千億円高く見積もり 東電、10年間で
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2011年9月29日3時0分
東京電力の電気料金算定のもとになる見積もり(燃料費などを除く)が、実際にかかった費用よりも、過去10年間で計約6千億円高いことが、政府の「東京電力に関する経営・財務調査委員会」の調査でわかった。電気代が必要以上に高く設定されていた可能性があり、調査委は近くまとめる報告書に盛り込む。
自由化されていない家庭用の電気料金は、電力会社が今後1年間にかかる人件費や燃料費、修繕費などの原価を見積もり、一定の利益を上乗せして決める。
報告書案によると、過去10年で計6186億円分、見積もりが実績を上回っていた。大きな原因として修繕費を挙げ、1割ほど過大とした。報告書案は「経営効率化によるものというよりも、そもそも届け出時の原価が適正ではなかったと推察される」と指摘した。
余計なものまで電気料金に加算して、利用者に負担させる
普通の企業は利益から支払うものを、原価に算入していたってことです。
2011年12月に政府から指摘される。
電気料金の原価計算に含まれていたもの
- 「普及開発関係費」年間およそ210億円
- 東電のPR施設の運営費や広告費など(渋谷電力館とテプコ浅草館)
- オール電化PRの広告宣伝費
- 「厚生費」年間およそ542億円
- 熱海などに所在する保養所の維持管理費
- 社員専用の飲食施設「東友クラブ」
- 接待用飲食施設「明石倶楽部」の維持管理費
- 都内の住宅街に所有する総合運動場の維持運営費と減価償却費
- 社員のサークル活動にかかる文化体育費
- 東電マリーゼ(女子サッカー)→J1クラブに譲渡?
- 東電アグレッサーズ(アメフト)→未だ活動中
- 東京電力ラグビー部(ラグビー、トップイーストリーグ ディビジョン2)
http://tepcorugby.d2.r-cms.jp/ ←サイトにロックかけてや
- 東京電力管弦楽団の運営費
- 野球やバレーボールなど社内のサークル活動費
- 慶弔費
- 一人当たり年間8万5千円の福利厚生の補助(他産業平均では6万6千円)
- 健康保険料の70%負担(他企業の会社負担は50~60%)
- 社員の自社株式の購入奨励金(代金の10%)
- 年3.5%の財形貯蓄の利子(利子補てんがない企業がほとんど)
- 年8.5%のリフレッシュ財形貯蓄の利子(制度自体がない企業がほとんど)
- 電力と関係のない書籍の購入代金
- 業界団体、財団法人への拠出金と出向者の人件費
- 原発立地自治体への寄付金
参考
東電の経費見直し進める第3者委員会が報告書 社員のサークル活動費なども電気代原価に
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相次ぐ電気料金の値上げに批判の声も上がっている東京電力。東京電力の経費見直しなどを進めていた政府の第3者委員会が3日、報告書を提出し、社員のサークル活動費なども電気代の原価になっていたことがわかった。
青森県の八甲田山では、2010年より23日も早い初雪が降った。
週明け、各地を白く染めた雪。
北海道の中山峠では、店の従業員が開店前に、2日から積もった雪かき作業に追われた。
北国に冬の便りが届く中、肌寒くなった東京・江東区でも、「急に寒くなったから。暖房のことも考えないと」といった声が聞かれた。
節電と、じわじわ上がる電気料金をにらみながらの冬支度。
その一方で、3日、東京電力の経費見直しなどを進めていた政府の第3者委員会が、報告書を提出した。
第3者委員会は、会見で「まずは自ら、持てるすべてのリソースを奮い起こして、自社のリストラやすべての効率化に、まい進をしていただきたい」と述べた。
現在、電気料金を決めるもととなる「総括原価方式」では、燃料費や人件費、施設の修繕費など、電気事業にかかる原価に一定の利益を上乗せし、電気料金を算出する。
実は、この原価には、さまざまな項目が含まれていた。
街の人からは、「知らない」、「こんなばかな話はないよね」といった声が聞かれた。
渋谷にある大きな施設「電力館」。
現在は周りをフェンスで囲われ閉鎖されているが、こうした東京電力のPR施設の維持・運営にかかる費用も、電気料金の原価計算に含まれていたという。
オール電化などのPRを目的に、各地で展開されていた東電のPR施設。
東日本大震災後、軒並み閉館や休館になっているが、唯一開館している新潟県の柏崎刈羽原発に併設されたPR館「柏崎刈羽原子力発電所サービスホール」は、「今、福島の状況がどういうふうになっているのか、また発電所の仕組みがどのようになっているのか、今の現状をなるべくわかりやすくご説明したいという考え方から、このサービスホールにつきましては、開館を続けさせていただいている」と話した。
こうした施設の運営費や広告費などを含めた普及開発関係費が、年間およそ210億円。
さらに、有名温泉地・熱海を一望する絶景の保養所。
こうした東電が所有する保養所などに加え、都内の住宅街に所有する総合運動場の維持運営費や、社員のサークル活動にかかる文化体育費、慶弔費などが、「厚生費」として、年間およそ542億円。
さまざまな項目が、原価として電気料金に含まれている。
この現実に、街では、「節電やなんかで、みんな苦しんで控えているというのがあるので、大本が控えてもらわないと。まず、そっちでしょうっていうのがあります」、「独占企業だから、競争原理が働かない。そこに問題があるんじゃないか」といった声が聞かれた。
しかも、第3者委員会は、この原価の中で、過去10年間でおよそ6,000億円も取り過ぎていた可能性を指摘した。
これまで、あまり知られていなかった東電の電気料金の仕組み。
東京電力は、「(グラウンドや保養施設等の維持管理費を国民が負担する必要があるのか?)基本的には、社員の福利厚生費などでございますので、電気料金の一部に、あの、反映させていただいております」、「(原価にさまざまなものが入っているが、消費者に説明できるのか?)そうですね、基本的には電気事業を遂行するうえで、私どもとして必要な経費だというふうに認識したうえで計上させていただいておりますので。今後、改定がある場合には、きちんとご説明をさせていただければと思っています」などと述べた。
野田首相も「検討課題」と指摘する、電気料金制度の闇。
野田首相は「電気料金制度のあり方等、制度面の課題等についても検討させていただきたい」と述べた。
(10/03 18:53)
東電、電気料金に上乗せ 保養所維持管理費 高利子の財形貯蓄
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2011年12月20日 07時07分
東京電力が、保養所や接待施設の維持管理費、年8・5%もの利子が付く財形貯蓄などさまざまな社員優遇に必要な費用を、電気料金を決める際の原価に算入し、電気料金で回収していたことが本紙の調査で分かった。こうした事実を東電も認めている。東電の手厚い福利厚生は、電力会社を選ぶことができない消費者の負担によって維持されてきたことになる。
電力料金は「総括原価方式」と呼ばれる方法で算出される。施設の修繕費や燃料費など発電に必要な費用を積み上げ、電力会社の利益を上乗せし、その総額を電力料金で回収する仕組み。
ただ、費用に何を計上するかは電力会社の判断に任されている面が強い。既に、官庁OBを受け入れている財団法人への拠出金や広告宣伝費など発電とは関係のない費用に入れられていたことが判明している。経済産業省の有識者会議(座長・安念潤司中央大教授)は今後、これらの費用は計上を認めない考えを示し、同省もその考えに従う方針だ。
発電とは無関係のものが費用計上されていると新たに判明したのは、ハード面では静岡県熱海市など各地にある保養所や社員専用の飲食施設、PR施設などの維持管理費。
ソフト面では、財形貯蓄の高金利、社内のサークル活動費、一般企業より大幅に高い自社株を買う社員への補助、健康保険料の会社負担など。
福島第一原発事故を受け、東電の電力料金引き上げが検討される中、経産省の有識者会議は、手厚い福利厚生費用を電力料金に転嫁することを問題視している。燃料費などに比べれば金額は小さいが、不透明な部分はなくすため、原価から除外させる方向で議論を進める見通しだ。東電自身も保養所の廃止や福利厚生の縮小などを決めている。
東電は原価に計上してきた事実を認めた上で、「(電気料金を決める)経産省の省令に基づいて、福利厚生の費用は過去の実績や社内計画に基づき適切に原価に算入してきた」とコメントしている。
(東京新聞)
東京電力の電気料金の原価にはこんなものも…
- 社員専用の飲食施設「東友クラブ」、接待用飲食施設「明石倶楽部」の維持管理費
- 熱海などに所在する保養所の維持管理費
- 女子サッカーチーム「マリーゼ」、東京電力管弦楽団の運営費
- 総合グラウンドの維持管理費と減価償却費
- 野球やバレーボールなど社内のサークル活動費
- PR施設(渋谷電力館とテプコ浅草館)
- 一人当たり年間8万5千円の福利厚生の補助(他産業平均では6万6千円)
- 健康保険料の70%負担(他企業の会社負担は50~60%)
- 社員の自社株式の購入奨励金(代金の10%)
- 年3.5%の財形貯蓄の利子(利子補てんがない企業がほとんど)
- 年8.5%のリフレッシュ財形貯蓄の利子(制度自体がない企業がほとんど)
- 電力と関係のない書籍の購入代金
- 業界団体、財団法人への拠出金と出向者の人件費
- 原発立地自治体への寄付金
- オール電化PRの広告宣伝費
一都四県から買い取った電気について、東電は原価を買値の三倍に設定していたことが判明
- 水力発電所を運営する東京、神奈川、群馬、栃木、山梨は東京電力に安く売電していた
- 神奈川県「電気を安く売れば、消費者の電気料金も下がる」
- 東京電力のサイトより、原価が売電額の三倍にはね上がっている
- 東電にとっては最大で年間百十七億円も増収になっていた
- 東電「電気料金に含まれる原価は、適正に精査している」←!?
東電に安値で売電 1都4県水力発電
2012年4月2日 07時11分
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012040290071139.html
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水力発電所を運営する東京、神奈川、群馬、栃木、山梨の一都四県が、東京電力に随意契約で安く売電していたことが分かった。経済産業省などの試算では、仮に特定規模電気事業者(PPS)も交えた競争入札を実施し、直近の市場取引価格で売っていれば、最大で年間百十七億円も増収になっていた。東電に格安の電気を提供し、もうけさせてきたとも言え、住民から批判が出そうだ。
経産省によると、一都四県から東電への売電価格は一キロワット時で平均七・七円。
これに対し、二〇一一年度の競争入札による水力発電の取引価格は同十~十二円と、一都四県の売却価格より二~四円程度も高い。売電総額では約六十三億~百十七億円も高く売ることができた可能性がある。その分、住民の共有財産は減り、東電がもうかった計算だ。
十三の水力発電所を持つ神奈川県は「電気を安く売れば、消費者の電気料金も下がる」と説明するが、東電の一般家庭向け電気料金を同社のホームページで試算すると、一キロワット時二三・八円と一都四県が東電に売った価格の三倍にはね上がっている。
東電の電気料金の高さを批判してきた東京都の担当者は「国の電力改革の行方をにらみながら、売電方法の変更も検討したい」と話した。東電は「電気料金に含まれる原価は、適正に精査している」とコメントした。
同様の問題は北海道や長野、富山、三重、京都など二十道府県と金沢市の計二十一の自治体でも起きている。いずれも河川開発の一環として水力発電所を保有し、地域の電力会社に売電している。
一都四県を合わせた二十六自治体の売電量は計約八十億キロワット時あるが、一一年度の市場取引価格で売却していれば百八十八億~三百四十八億円も収入が増えていたことになる。
(東京新聞)
火力発電用の液化天然ガス(LNG)を対米販売価格の8~9倍の超高値で購入していたことが判明
購入元の東電子会社は高値売却で利益GET、東電は総括原価方式で利益&電気料金値上げの口実の両方をGETということですね、タヒね。
2012年7月28日(土)
東電、米国の9倍で購入
吉井議員 LNG価格を指摘
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-07-28/2012072804_03_1.html
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日本共産党の吉井英勝議員は27日の衆院経済産業委員会で、東京電力が、同社の子会社が設立した貿易会社から、火力発電用の液化天然ガス(LNG)を対米販売価格の8~9倍の超高値で購入している実態を示し、東電言いなりに電気料金値上げを認可した政府の姿勢をただしました。
問題の会社は、東電の子会社「TEPCOトレーディング」と三菱商事が共同出資し、オマーン産LNGの購入・販売権を有するセルト社。同社は米国向けに百万BTU(英式熱量単位)あたり2ドルで販売する一方、東電には9倍も高い18ドルで販売しています。(今年の実績)
吉井氏は、この問題で東電の広瀬直己社長が「守秘義務があり、存じ上げていない」(26日、衆院消費者問題特別委員会)と答えたことを示し、同社の隠ぺい体質を批判。枝野経産相は「厳しく調べさせていただく」「下げるように指導したい」と約束しました。
さらに吉井氏は、同じシベリア産LNGの買い取り価格が、袖ヶ浦基地(千葉県)で1トンあたり3万1719円、富津基地(同)で7万4975円と2倍も違うと指摘。「商社は東電に高く売ればもうかる。そのツケは全部消費者に回ってくる」と述べ、総括原価方式と燃料費調整制度の見直しを主張。枝野経産相は「一刻も早くこれ(制度)を変えたい」と答えました。