自殺、ダメ、絶対。
2011年03月16日 【事故】須藤武志さん(69)
信号消灯の交差点事故で65歳男性死亡 群馬
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2011.3.16 23:37
16日午前10時半ごろ、東京電力の「計画停電」で信号機が消灯していた群馬県安中市簗瀬の県道交差点で、安中市嶺の農業、須藤武志さん(69)のバイクと、安中市郷原、酒店経営、市川芳弘さん(65)の軽乗用車が出合い頭に衝突。須藤さんは胸などを強く打って、まもなく死亡した。安中署によると、事故のあった交差点は停電時の警戒地点対象外で、交通整理をする警察官がいなかった。
県内では約2900カ所の信号が消え、人身、物損事故が計19件起きた。
2011年03月17日 【事故】斎藤竜希さん(18)
停電中の交差点で死亡事故 信号消えて衝突 神奈川・厚木
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2011.3.18 10:23
17日午後6時40分ごろ、東京電力の計画停電で信号が消えていた神奈川県厚木市下荻野の県道交差点で、解体工、斎藤竜希さん(18)=同市下依知=のオートバイと無職、七戸宏さん(67)=同市三田=の軽トラックが衝突した。斎藤さんは腹などを強く打ち、18日未明に死亡した。厚木署によると、交差点に交通整理の警察官はいなかった。
画停電の交差点で衝突、オートバイ18歳死亡
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17日午後6時40分頃、神奈川県厚木市下荻野の県道交差点で、同市下依知、解体工斎藤竜希さん(18)のオートバイと、同市三田、無職七戸宏さん(67)の軽トラックが衝突し、斎藤さんが腹を打つなどして死亡した。
厚木署幹部によると、当時、交差点の信号機は東京電力の計画停電で消えていた。手信号誘導の署員は配置されておらず、「人員に余裕がなかった」としている。同署で事故原因を調べている。
(2011年3月18日11時56分 読売新聞)
2011年03月22日 【事故】東京都八王子市内のアパートに住む男性(61)
停電で発電機使い排ガス中毒死…東京・八王子
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都内の一部で夜間の計画停電が実施された今月22日、室内で発動発電機や七輪を使い、一酸化炭素中毒で搬送される事故が3件起きていたことが、東京消防庁のまとめでわかった。
1人が死亡し、2人が重軽症となった。同庁は「室内での発動機や七輪などの使用は極力避け、使用する場合には十分に換気を」と呼びかけるとともに、東京電力に対しても計画停電の際の注意喚起を徹底するよう要請した。
同庁によると、計画停電中の22日午後7時40分頃、東京都八王子市内のアパートに住む男性(61)が室内で倒れているのを帰宅した家族が発見し、119番した。男性は病院に搬送されたが、死亡した。室内で発電機が動いており、排ガスによる一酸化炭素中毒とみられる。東京都青梅市内でも同日夕方から夜にかけて、室内で七輪や火鉢を使っていた事故が2件起き、男女2人が搬送された。
また、今月15日以降、足立、立川、八王子など都内の1区7市で、計画停電中にエレベーターに乗り、閉じこめられる事故が32件発生。けが人はなかったが、同庁のレスキュー隊などが出動した。
救助された人は「エレベーターが動いていたので乗った」「計画停電の時間が正確でないので、まだ大丈夫だと思った」などと話したという。
(2011年3月25日05時13分 読売新聞)
2011年03月24日 【自殺】福島県須賀川市のキャベツ農家の64歳の男性
鹿野農水相、農家への仮払い検討=共産・大門氏「出荷停止で自殺者」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110328-00000119-jij-pol (リンク切れ)
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時事通信 3月28日(月)18時23分配信
鹿野道彦農林水産相は28日午後の参院予算委員会で、福島第1原発事故で被害を受けた農家らの救済について「現金収入が途絶えている実態にも配慮した支援の仕組みを考えている。仮払いのような仕組みも検討している」と述べ、早急に取り組む考えを強調した。共産党の大門実紀史氏が、「自殺者が出た」として、対策を講じるよう求めたのに答えた。
同党や大門氏によると、
自殺したのは福島県須賀川市のキャベツ農家の64歳の男性で、「23日にキャベツなどの葉物類が出荷停止になったとの知らせを受け、24日朝に自ら命を絶たれた」という。
福島の野菜農家が自殺 摂取制限指示に「もうだめだ」
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2011年3月29日5時30分
福島県須賀川市で24日朝、野菜農家の男性(64)が自宅の敷地内で首をつり、自ら命を絶った。福島第一原発の事故の影響で、政府が一部の福島県産野菜について「摂取制限」の指示を出した翌日だった。震災の被害に落胆しながらも、育てたキャベツの出荷に意欲をみせていたという男性。遺族は「原発に殺された」と悔しさを募らせる。
自宅は地震で母屋や納屋が壊れた。ただ、畑の約7500株のキャベツは無事で、試食も済ませ、収穫直前だった。遺族によると、男性は21日にホウレンソウなどの出荷停止措置がとられた後も「様子をみてキャベツは少しずつでも出荷しないと」と話し、納屋の修理などに取り組んでいた。
23日にキャベツの摂取制限指示が出ると、男性はむせるようなしぐさを繰り返した。「福島の野菜はもうだめだ」。男性の次男(35)は、男性のそんなつぶやきを覚えている。「今まで精魂込めて積み上げてきたものを失ったような気持ちになったのだろう」
男性は30年以上前から有機栽培にこだわり、自作の腐葉土などで土壌改良を重ねてきた。キャベツは10年近くかけて種のまき方などを工夫し、この地域では育てられなかった高品質の種類の生産にも成功。農協でも人気が高く、地元の小学校の給食に使うキャベツも一手に引き受けていた。「子どもたちが食べるものなのだから、気をつけて作らないと」。そう言って、安全な野菜づくりを誇りにしていたという。
遺書はなかったが、作業日誌は23日までつけてあった。長女(41)は「こんな状態がいつまで続くのか。これからどうなるのか。農家はみんな不安に思っている。もう父のような犠牲者を出さないでほしい」と訴える。(西堀岳路)
2011年03月28日 【事故】福島から避難の認知症女性(62)
福島から避難の認知症女性が新潟で凍死
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2011年3月28日22時7分
28日午前8時半ごろ、新潟県田上町鳶ケ沢の林道で、東日本大震災で被災した福島県富岡町の無職女性(62)が死亡しているのが見つかった。加茂署によると、死因は凍死とみられる。
同署によると、女性は認知症で、家族7人で27日午後4時ごろ、4カ所目の避難先となる田上町の「YOU・遊ランド」宿泊棟に福島県南相馬市から移ってきた。入所手続きを終えた後、1人でその場を離れて行方不明になったため、家族が同署に届けていた。
林道は避難所から最短の道を歩くと約2キロで、積雪は約50センチ。雪の上には女性の足跡しか残っていなかったという。
2011年04月14日 【自殺】福島県飯館村の男性(102)
計画的避難区域の飯館村、102歳の男性が自殺=報道
2011年 04月 14日 15:42 JST
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[東京 14日 ロイター] 日本国内の各メディアによると、福島第1原子力発電所から約40キロ離れた福島県飯館村で、102歳の男性が自殺していたことが分かった。飯館村では高い数値の放射性セシウムが検出されており、政府は「計画的避難区域」に指定する方針を示している。
報道によると、村で最高齢だったこの男性は12日に自殺。遺族らは、避難を苦にしての自殺ではないかと語っている。
飯舘村102歳の男性 自殺で東電提訴へ
11月14日 22時30分
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原発事故の影響で村の全域が避難区域に指定された福島県飯舘村で、102歳の男性が村からの避難を受け入れられず自殺したことを巡り、遺族が「原発事故がなければ生涯、大切にしてきた村で天寿を全うできたはずだ」と主張して、東京電力の責任を追及する裁判を起こすことになりました。
原発事故から1か月後の平成23年4月11日、政府は飯舘村の全域を計画的避難区域に指定する方針を示しましたが、この翌日、当時、村で最高齢の102歳だった大久保文雄さんが1世紀にわたって暮らしてきた村からの避難を受け入れられず、自宅で自殺しました。
大久保さんの遺族3人は「原発事故がなければ、生涯、大切にしてきた村で暮らし続け、天寿を全うできたはずだ」と主張して、東京電力に少なくとも3千万円の損害賠償を求める訴えを来月にも東京地方裁判所に起こすことを決めました。
飯舘村は事故から3年8か月が経過した今も、全域が避難区域に指定されたままで、訴えを起こす大久保さんの息子の妻の美江子さん(61)は「おじいさんが愛した村で、家族に見守られながら幸せな最期を迎えてほしかった。残された家族が前を向いて生きていくためにも、原発事故がなければみずから命を絶つことはなかったと証明したい」と話しています。
遺族が提訴の方針を決めたことについて、東京電力は「大久保文雄さんがお亡くなりになられたことについて、心よりご冥福をお祈りいたします。当社としましては、提訴の有無にかかわらず、ご主張を詳しく伺ったうえで、真摯(しんし)に対応してまいります」と話しています。
2011年04月26日 【事故】河本薫さん(37)
節電で暗かった? 自転車の男性が歩行者と衝突し死亡
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2011.4.26 21:32
26日午前0時10分ごろ、東京都目黒区中目黒の都道で、自転車で走っていた同区祐天寺に住む会社員、河本薫さん(37)が、路上でタクシー待ちをしていた女性会社員(24)と衝突して転倒。頭を強く打っており、死亡した。女性会社員も顔を骨折して重傷を負った。
目黒署によると、現場の街灯は、節電のため一部が消されていた。同署では、河本さんが暗くて前がよく見えず、衝突した可能性があるとみて調べている。
現場は片側3車線の直線道路。河本さんは道路の端を走っていたとみられる。
2011年06月初旬 【自殺】福島県相馬市の酪農業の五十代の男性
東京新聞酪農家の自殺 原発が引き裂いた人生社説・コラム(TOKYO Web)
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2011年6月16日
福島県相馬市で酪農家の男性が非業の最期を遂げた。暴走して放射能を吐き出す東京電力福島第一原発を前に、無為無策でいる政府への抗議だったのかもしれない。彼の死は重い問いを投げ掛ける。
「原発さえなければと思います。残った酪農家は原発に負けないで頑張ってください。仕事をする気力をなくしました」
先週、酪農業の五十代の男性が首をつって亡くなった。現場の堆肥舎の壁のベニヤ板にはそう書き残されていた。
「ごめんなさい」と家族にわびる言葉もあった。突然、絶望のどん底に突き落とされ、途方に暮れていたのだろう。
知人によれば、男性は親の代から酪農を営み、約三十頭の乳牛を世話していた。ところが、原乳の放射能汚染が判明して三月に出荷を止められ、男性は乳を搾っては捨てていた。五月までに全頭を売り払ってしまった。
「子どもに跡を継がせたいと夢見ていたのに、一瞬にしてぶち壊された。無念だったろう」。知人は心中を推し量った。やり場のない気持ちへの同情を禁じ得ない。
おびただしい人生を台無しにした東日本大震災。それでも自然の仕業だと思えればこそ、あきらめもつくし、未来への希望も湧いてくる。その余地はあるだろう。
原発事故は人災だ。しかも、いまだに収束のめどが立たないとは怒りを覚える。それに原子炉が落ち着いたところで牧場も、田畑も、海原も、河川も広い範囲にわたって放射能汚染の恐怖が残る。
住み慣れた故郷で生業(なりわい)を再開できるのか。家族が共に暮らせるのか。先行きが一向に見通せないつらさは想像を超えている。
この男性だけではない。須賀川市では野菜の出荷を制限された農民が、飯舘村では避難した家族との別離を強いられた高齢者が、これまでに自ら命を絶った。
政府は原発事故に伴う損害賠償の範囲を検討しているが、自殺者や遺族をどう扱うのかはっきりしない。因果関係が認められれば賠償するのは当然だ。遺族の生活支援の仕組みも整えたい。
「原発で手足ちぎられ酪農家」
男性は牛舎の黒板にそんな辞世の句も残していた。原発事故への怨嗟(えんさ)の念が伝わってくる。
だが、今や政府と国会の惨状を眺めると「原発」を「政治」に置き換えられる。大勢が生死の境をさまよっている。与野党とも権力争いはいいかげんにして被災者の救済に力を振り向けるべきだ。
2011年06月下旬 【自殺】福島県南相馬市の93歳の女性
東日本大震災:お墓にひなんします 南相馬の93歳自殺
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110709k0000m040149000c.html (リンク切れ)
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「私はお墓にひなんします ごめんなさい」。福島県南相馬市の緊急時避難準備区域に住む93歳の女性が6月下旬、こう書き残し、自宅で自ら命を絶った。東京電力福島第1原発事故のために一時は家族や故郷と離れて暮らすことになり、原発事故の収束を悲観したすえのことだった。遺書には「老人は(避難の)あしでまといになる」ともあった。
女性は同市原町区の静かな水田地帯で代々続く田畑を守り、震災時は長男(72)と妻(71)、孫2人の5人で暮らしていた。長男によると、以前から足が弱って手押し車を押していたが、家事は何でもこなし、日記もつけていた。
第1原発の2度の爆発後、近隣住民は次々と避難を始めた。一家も3月17日、原発から約22キロの自宅を離れ、相馬市の次女の嫁ぎ先へ身を寄せた。翌日、さらに遠くへ逃げるよう南相馬市が大型バスを用意し、長男夫婦と孫は群馬県片品村の民宿へ。長距離の移動や避難生活を考え、長男は「ばあちゃんは無理だ」と思った。女性だけが次女の嫁ぎ先に残ることになった。
4月後半、女性は体調を崩して2週間入院。退院後も「家に帰りたい」と繰り返し、5月3日、南相馬の自宅に戻った。群馬に避難している長男にたびたび電話しては「早く帰ってこお(来い)」と寂しさを訴えていたという。
長男たちが自宅に戻ったのは6月6日。到着は深夜だったが、起きていて玄関先でうれしそうに出迎えた。だが緊急時避難準備区域は、原発事故が再び深刻化すればすぐ逃げなければならない。長男夫婦が「また避難するかもしれない。今度は一緒に行こう」と言うと、女性は言葉少なだった。「今振り返れば、思い詰めていたのかもしれない」と長男は話す。
住み慣れた家で、一家そろっての生活に戻った約2週間後の22日。女性が庭で首をつっているのを妻が見つけ、長男が助け起こしたが手遅れだった。
自宅から4通の遺書が見つかった。家族、先祖、近所の親しい人に宛て、市販の便箋にボールペンで書かれていた。家族には「毎日原発のことばかりでいきたここちしません」。先立った両親には「こんなことをして子供達や孫達、しんるいのはじさらしとおもいますが いまの世の中でわ(は)しかたない」とわびていた。
奥の間に置かれた女性の遺影は穏やかに笑っている。近所の人たちが毎日のように訪ねてきて手を合わせる。「長寿をお祝いされるようなおばあちゃんが、なぜこんな目に遭わなければならないのですか……」。遺書の宛名に名前のあった知人が声を詰まらせた。葬儀で読経した曹洞宗岩屋(がんおく)寺前住職、星見全英さん(74)は「避難先で朝目覚め、天井が違うだけで落ち込む人もいる。高齢者にとって避難がどれほどつらいか」と心中を察する。
取材の最後、長男夫婦が記者に言った。「おばあちゃんが自ら命を絶った意味を、しっかりと伝えてください」【神保圭作、井上英介】
◇女性が家族に宛てた遺書の全文
(原文のまま。人名は伏せています)
このたび3月11日のじしんとつなみでたいへんなのに 原発事故でちかくの人達がひなんめいれいで 3月18日家のかぞくも群馬の方につれてゆかれました 私は相馬市の娘○○(名前)いるので3月17日にひなんさせられました たいちょうくずし入院させられてけんこうになり2ケ月位せわになり 5月3日家に帰った ひとりで一ケ月位いた 毎日テレビで原発のニュースみてるといつよくなるかわからないやうだ またひなんするやうになったら老人はあしでまといになるから 家の家ぞくは6月6日に帰ってきましたので私も安心しました 毎日原発のことばかりでいきたここちしません こうするよりしかたありません さようなら 私はお墓にひなんします ごめんなさい
毎日新聞 2011年7月9日 2時32分(最終更新 7月9日 11時39分)
2011年07月01日 【自殺】福島県川俣町山木屋の渡辺はま子さん=当時(58)=
「原発避難で自殺」遺族が東電提訴へ
2012.5.9 11:45 [原発]
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東京電力福島第1原発事故による避難生活のストレスで自殺したとして、亡くなった福島県川俣町山木屋の渡辺はま子さん=当時(58)=の遺族が東電に約7千万円の損害賠償を求めて福島地裁に提訴することが9日、分かった。原告側が明らかにした。
原告側を担当する福島原発被害弁護団によると、渡辺さんは原発事故で自宅が計画的避難区域に指定され、福島市などに避難。川俣町の自宅に一時帰宅した翌日の昨年7月1日、ガソリンをかぶって火を付けて焼身自殺した。遺書はなかった。
原告側は、渡辺さんが原発事故で家族と離れての避難生活を強いられ、ストレスがたまって慢性的睡眠不足に陥り、うつ病になって自殺したと主張している。
弁護団は「原発事故被害のなかで、自殺は極めて過酷。悲劇を二度と起こしてはならないという遺族の思いから東電の法的、社会的責任を問う」としている。
東電は「当社事故で皆様に大変なご迷惑をおかけして改めておわび申し上げたい。訴訟については承知しておらずコメントは差し控えたい」としている。
2011年07月 【自殺】福島県浪江町の男性(当時67歳)
原発事故で自殺、遺族が東電に損賠求め提訴へ
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東京電力福島第一原発事故で避難していた福島県浪江町の男性(当時67歳)が昨年7月、同県飯舘村で自殺したのは、原発事故で精神的に追いつめられたのが原因だとして、男性の妻(63)ら遺族3人が東電を相手取って損害賠償を求める訴えを近く起こすことがわかった。
請求額は数千万円に上る見通し。
遺族の代理人の弁護士によると、男性は事故後の昨年4月に同県二本松市のアパートに避難。6月頃から食欲がなくなり、不眠などを訴えるようになった。7月23日に外出したまま戻らず、翌24日、飯舘村のダム近くで遺体で見つかった。弁護士は「男性は橋の上から谷底に飛び降りたとみられる」としたうえで、「原発事故による悲惨な事態が相次いでおり、東電は責任を取るべきだ」と話している。
(2012年7月6日13時15分 読売新聞)
「原発避難で自殺」賠償命令 東電に2700万円
2015年6月30日 夕刊
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東京電力福島第一原発事故による避難が原因で自殺したとして、福島県浪江町の無職五十崎喜一さん=当時(67)=の遺族が、東電に約八千七百万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で福島地裁(潮見直之裁判長)は三十日、事故と自殺の因果関係を認め、東電に約二千七百万円の賠償を命じた。
判決は「原発事故で遭遇した過酷な経験でうつ状態となり、最終的に自死に至らしめた」とした。喜一さんは糖尿病を患っており、病気が与えた影響なども考慮し「事故が自殺に寄与した割合は六割」と指摘した。原発事故と自殺の因果関係を認め、東電に賠償を命じた判決は昨年八月の福島地裁判決に続き、二例目。
東電は「判決内容を精査し真摯(しんし)に対応していく」とのコメントを出した。喜一さんの妻栄子さん(66)、次男の政之さん(38)、孫の貴明さん(21)の三人が訴えた。判決後、栄子さんは「あくまで東電に謝罪してほしい」と述べた。
訴状によると、喜一さんは二〇一一年三月十一日の原発事故で、福島県郡山市の高校に避難して以降、食欲不振や不眠の症状を訴えるようになった。同四月十三日に同県二本松市のアパートに引っ越したが、食欲不振などの症状はなくならず、東電に提出する賠償請求の書類の手続きにも悩まされていた。
同七月二十三日早朝にアパートを出て行方不明になり、翌二十四日、福島県飯舘村のダム付近で、遺体で発見された。遺族はうつ病などの精神疾患による自殺だとして「原発事故さえなければ元気に生活していた」と主張。東電は、「事故以外の原因も考慮するべきだ」などとして争っていた。
2013年10月24日 【自殺】東京電力の技術職の男性社員(39)@竜ヶ崎支社
東電社員が会社で“飛び降り自殺”茨城・龍ケ崎市(10/24 05:50)
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茨城県龍ケ崎市で23日、東京電力の39歳の男性社員が会社の駐車場で倒れているのが見つかり、病院で死亡が確認されました。警察は、飛び降り自殺したとみて調べています。
午後3時前、東京電力の竜ヶ崎支社の駐車場で、「人が倒れている」と通報がありました。警察が駆けつけると、建物東側の駐車場で男性が倒れていて、搬送先の病院で死亡が確認されました。警察によりますと、死亡したのは竜ヶ崎支社に勤務する技術職の男性社員です。男性は勤務時間中で、5階建ての建物の屋上には男性の眼鏡が残されていましたが、遺書は見つかっていません。警察は状況から、男性が自殺したとみて調べています。
2014年08月
2014.8.26 14:13更新
福島の震災関連自殺者、増加続く 「避難生活の長期化が原因では」
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福島県では、東日本大震災との関連で自殺したと認定される人が増え続けている。集計する内閣府の担当者は「原発事故の影響で、避難先の生活が長期化しているのが原因ではないか」と分析する。
内閣府によると、福島県の震災関連の自殺者は、統計を取り始めた平成23年6月から今年7月までに56人。岩手県の30人、宮城県の37人と比べても多く、全国最多だ。福島では23年に10人、24年に13人、25年に23人と、増加傾向が著しい特徴もある。
自殺防止対策について内閣府は「福島県には対策費を多めに配分している」とし、県も仮設住宅への相談員派遣などに取り組んでいるが、十分な効果が挙がっていないのが実情だ。
震災関連の自殺と認定されるのは、仮設住宅で遺体が発見されたり、亡くなったのが原発事故の避難者だったりしたケース。ほかにも遺書や遺族の話を基に、判断している。
2015年06月30日
震災関連自殺、今なお 福島は15年だけで8人
2015/6/30 12:18
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東日本大震災や東京電力福島第1原発事故に関連する自殺者は4年以上たった今も後を絶たない。内閣府によると、震災後、今年5月までの福島県の関連自殺者数は69人で、岩手県の33人、宮城県の40人より多い。今年は原発事故による避難が続く福島では8人と、岩手、宮城(いずれも1人)に比べ突出している。
原発事故が原因で自殺したとして、遺族が東電に損害賠償を求めた訴訟では、福島県川俣町山木屋地区から福島市に避難し、一時帰宅の際に自殺した渡辺はま子さん(当時58)のケースで、福島地裁が昨年8月、自殺との因果関係を認め、東電に約4900万円の賠償を命令した。
判決は「生活の場を突如失い、終わりの見えない避難生活を余儀なくされたストレスは耐え難いと推認される」などと指摘した。
原発事故の被害者は東電への直接請求や、原子力損害賠償紛争解決センターでの裁判外紛争解決手続き(ADR)などで賠償を請求できる。2011年3月に自殺した同県須賀川市の農業の男性(当時64)のケースでは、遺族がADRで東電と和解した。〔共同〕
余談:絶対違う
自殺急増はタレント自殺報道の影響? 内閣府参与報告
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2011年7月11日11時11分
今年5月に自殺者が急増したのは、女性タレントの自殺報道の影響だった――。清水康之内閣府参与(NPO自殺対策支援センター・ライフリンク代表)が4日、内閣府の自殺対策会議でそう報告した。
減少傾向にあった月別自殺者数が5月、前年比19.7%増と急伸したため、当時の担当大臣だった蓮舫氏が東日本大震災との関連を含めて内閣府に分析を指示していた。
その結果、今年初めからの自殺者数は1日平均82人だったが、人気女性タレントの自殺が報じられた翌日の5月13日から1週間は1日平均124人に増えたことが判明。増加分の半数以上を20~30代が占め、女性の伸び率が高かった。清水氏は原因として「女性タレントの自殺と関連報道が考えられる。政府としてはメディア各社にガイドラインの策定を呼びかけるべきだ」と指摘した。
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4日配信の記事で、今年5月に自殺者が急増したのが「女性タレントの自殺の影響だった――」としていたのは「女性タレントの自殺報道の影響だった――」の誤りでした。訂正します。