保安院 海への汚染水 4700兆ベクレルの漏出をゼロ扱い
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011121690070643.html (リンク切れ)
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福島第一原発事故で、何度も放射性物質を含む汚染水が海に漏出したが、経済産業省原子力安全・保安院は「緊急事態」を理由に、法的には流出量は「ゼロ」と扱ってきたことが本紙の取材で分かった。今後、漏出や意図的な放出があってもゼロ扱いするという。政府は十六日に「冷温停止状態」を宣言する予定だが、重要な条件である放射性物質の放出抑制をないがしろにするような姿勢は疑念を持たれる。
原子炉等規制法により、電力事業者は原発ごとに海に出る放射性物質の上限量を定めるよう決められている(総量規制)福島第一の場合、セシウムなどは年間二二〇〇億ベクレルで、年度が変わるとゼロから計算される。
しかし、四月二日に2号機取水口近くで高濃度汚染水が漏出しているのが見つかり、同四日には汚染水の保管場所を確保するため、東京電力は建屋内のタンクに入っていた低濃度汚染水を意図的に海洋に放出した。
これら二件の漏出と放出だけで、原発外に出た放射性物質の総量は四七〇〇兆ベクレル(東電の試算)に達し既に上限値の二万倍を超える。試算に対しては、国内外の研究機関から「過小評価」との異論も出ている。
今月四日には、処理済みの汚染水を蒸発濃縮させる装置から、二六〇億ベクレルの放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れ出した。
さらには、敷地内に設置した処理水タンクが来年前半にも満杯になる見込み。この水にもストロンチウムが含まれている。
東電はできるだけ浄化して海洋放出することを検討している。漁業団体の抗議を受け、当面は放出を見送る方針だ。
保安院は本紙の取材に対し、事故への対応が最優先で、福島第一は損傷で漏出を止められる状態にない「緊急事態」だった点を強調し、総量規制を適用せず、四七〇〇兆ベクレルの漏出をゼロ扱いする理由を説明した。
「緊急事態」に伴う特例扱いは「事故収束まで」続くとも説明したが、具体的な期間は「これからの議論」とあいまい。
今後、仮に放射性物質を含んだ処理水を放出したとしても、ゼロ扱いを続けるという。
▽東京新聞(2011年12月16日 07時06分)
福島原発で事故発生!真っ先に逃げた原子力保安院検査官
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2011/12/28 10:08
26日(2011年12月)に公表された政府の東京電力福島第1原発事故調査・検証委員会の中間報告は、原子力発電は危険性を伴うにもかかわらず、安全性が強調されるあまり、非常時への備えが不十分だった結果、重大な事故が起きたと指摘した。
この調査は東京電力や原子力保安院などの関係者456人から聞き取りを行い、畑村洋太郎委員長(東大名誉教授)は「想定外という言葉が随所に出てくるが、ではどんな想定をしていたのかとなるとまったく分からない」と語った。
非常用冷却装置あったのに使い方わからず
メインキャスターの小倉智昭は「原発にリスクが伴うことは分かっていたはず。本当に安全だと思っていたら、想定外などという言葉は出てこないはず」と批判する。
畑村委員会は、事故直後に現場で何が起きていたのかも検証した。それまで1号機にある非常用の原子炉冷却装置を作動させた経験や訓練はなく、冷却操作の不手際や認識不足が炉心損傷を早めた可能性があると断じた。また、避難指示でも緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)が活用されず、「ともかく逃げろ」と原子力保安院の検査官がいち早く逃げ出していた。
コメンテーターのデーブ・スペクター(テレビプロデューサー)は、「昔のゴジラの映画でゴジラが上陸してくると、散りぢりバラバラに八方へ逃げるというシーンがあるけど、そんな雰囲気になっていたのだろう」と話す。
菅首相1時間も席外して緊急事態宣言に遅れ
最終的な意思決定は首相官邸の5階で行われていたが、地下の危機管理センターとは携帯電話が繋がらなかったことや、当時の海江田万里経済産業大臣が菅首相に原子力緊急事態宣言の発令を要請したのに、菅は1時間も席を外してしまったことなどが指摘された。
小倉「何でこんなにバラバラなのか。緊急事態に備えてのマニュアルはなかったのか」
高木美保(女優・農芸家)「そもそもマニュアルはなかったとしか思えない。全電源喪失という事態も考えていなかっただろうし、非常用冷却装置が使えたのに使い方が分からなかったという。本当の危機をまったく考えていなかったのでしょう」
委員会は来年夏までに最終報告書をまとめる。
保安院、原子力防災指針の改定に反対していた
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内閣府原子力安全委員会が2006年の原子力防災指針の改定作業時に、原発事故発生時に住民が即時に避難する半径5キロ・メートルの区域(PAZ)の導入を検討しながら、経済産業省原子力安全・保安院の反対で断念していたことが15日わかった。
PAZが導入されていれば、東京電力福島第一原発事故で、住民が迅速に避難できた可能性がある。
安全委が公表した文書などによると、国際原子力機関が05年、PAZの導入を盛り込んだ新たな防災対策の考え方を示したため、安全委は06年3月に防災指針の見直しを開始した。だが、保安院は同4月、「国民の不安を増大する」と検討の凍結を申し入れた。
安全委は、「防災体制の向上のため(に見直しは必要)」と拒否したが、保安院は同6月、「現状の防災体制に問題はない」と抗議する文書を送付。結果的に、安全委は導入を見送った。
(2012年3月15日20時26分 読売新聞)
原発防災 保安院長「なぜ寝た子起こすのか」 18年の地域拡大の検討、安全委側に中止を要請
2012.3.16 19:35
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原子力安全委員会が原発事故に備えた防災対策重点地域の拡大を検討していた平成18年5月、安全委と経済産業省原子力安全・保安院の幹部が出席した昼食会で、保安院長だった広瀬研吉氏が「なぜ寝た子を起こすのか」と安全委側に検討中止を要請していたことが16日、分かった。出席した安全委の久住静代委員が証言した。
国際的な基準に合わせようとしていた安全委側に、保安院のトップが直接中止を働き掛けたという。
広瀬氏は、東京電力福島第1原発事故後に内閣府参与に就任、政府に対策を助言した。久住委員によると、昼食会は保安院側の申し出で安全委の委員長室で開催された。
広瀬氏は、平成11年の東海村臨界事故後、原子力防災体制を整えてきたと説明。「既に原子力防災の態勢は整い、国民も落ち着いている。なぜ寝た子を起こすのか」と安全委側に詰め寄ったという。
保安院・深野院長「過酷事故の認識に甘さ」
2012.3.16 19:46
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#divclass(rectangle01){ 平成18年に経済産業省原子力安全・保安院が原子力安全委員会に防災対策重点地域の見直しをしないよう求めた問題で、保安院の深野弘行院長は16日の記者会見で「今回の(福島第1原発)事故のように、短時間で事態が進展するような過酷事故が起きるという認識に欠けていた」と、認識の甘さが背景にあったとの見方を示した。
深野院長は「(福島第1原発事故以前は)防災訓練のシナリオも進展にだいぶ時間がかかるという想定で、そういうものに引っ張られたのかもしれない。安全神話に陥らずに、防災を含め原子力安全規制の抜本的改善を図ることが必要だ」と強調した。}
原発防災 保安院長「なぜ寝た子起こすのか」 18年の地域拡大の検討、安全委側に中止を要請
2012.3.16 19:35
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120316/dst12031619360012-n1.htm
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原子力安全委員会が原発事故に備えた防災対策重点地域の拡大を検討していた平成18年5月、安全委と経済産業省原子力安全・保安院の幹部が出席した昼食会で、保安院長だった広瀬研吉氏が「なぜ寝た子を起こすのか」と安全委側に検討中止を要請していたことが16日、分かった。出席した安全委の久住静代委員が証言した。
国際的な基準に合わせようとしていた安全委側に、保安院のトップが直接中止を働き掛けたという。
広瀬氏は、東京電力福島第1原発事故後に内閣府参与に就任、政府に対策を助言した。久住委員によると、昼食会は保安院側の申し出で安全委の委員長室で開催された。
広瀬氏は、平成11年の東海村臨界事故後、原子力防災体制を整えてきたと説明。「既に原子力防災の態勢は整い、国民も落ち着いている。なぜ寝た子を起こすのか」と安全委側に詰め寄ったという。
「寝た子起こすのか」保安院長、対策強化案に
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120317-OYT1T00220.htm?from=popin
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内閣府原子力安全委員会の原子力防災指針の改定作業に経済産業省原子力安全・保安院が反対した問題で、2006年5月、保安院の広瀬研吉院長(当時)が、対策強化を目指す安全委に対し、「なぜ寝た子を起こすのか」と発言していたと、久住静代・安全委員が16日、報道陣に明らかにした。
原発推進の経産省で規制を担う保安院の体質を示す発言として議論を呼びそうだ。
久住氏によると、広瀬氏は同年5月の昼食会で安全委員5人に対して発言したといい、1999年に茨城県東海村で起きたJCO臨界事故後から加速した規制強化の流れが一段落した、当時の情勢を背景にしたものとみられる。
(2012年3月17日10時22分 読売新聞)