講演会のポスターに「さいたさいたセシウムがさいた」
2012年3月10日に開催される、埼玉県教職員組合主催の「2012国際女性デー埼玉集会」のポスター
講演タイトル「さいたさいたセシウムがさいた」 埼玉県教組、批判受け削除する騒ぎに
2012/3/ 7 19:20
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「さいたさいたセシウムがさいた」。埼玉県教職員組合(埼教組)が事務局をしている講演が、こんなタイトルをつけていたことが分かった。これに対し、批判が相次ぎ、組合がタイトルを削除する事態になっている。
物議を醸したのは、さいたま市内で2012年3月10日に行われる予定のイベント「国際女性デー埼玉集会」のチラシだ。
「不快な思いをさせてしまった」
集会は、埼教組が実行委事務局をしており、その中では、日本の詩人が講演を行うことになっている。副題は、「3・11後の安心をどうつくり出すか」。埼教組は、全日本教職員組合(全教)の傘下にあり、日教組埼玉とは違う組織だ。
ところが、埼教組のサイトでこのチラシを掲げたところ、ネット上で、「これはひどい」「どういうセンスなんだよ」などとタイトルを疑問視する声が相次いだ。東海テレビが11年8月に「怪しいお米セシウムさん」と誤って番組で流し、謝罪した経緯もあったからだ。
自民党の片山さつき参院議員は、ツイッター上で埼教組に抗議して下さいと呼びかけられ、サイトの告知で確認したとして、12年3月3日のツイートで怒りを露わにした。日教組埼玉のことだと誤解していたようだが、「こういう言葉平気で公に使うセンスで授業やられちゃかなわん!」とぶちまけている。
埼教組の執行委員長は、取材に対し、こうした批判を受けて、チラシから「さいたさいたセシウムがさいた」のタイトルを削除し、修正チラシを再配布していることを明らかにした。
「こちらにも、『タイトルが被災者の気持ちを逆なでする表現だ』とご意見がいくつかあり、不快な思いをさせてしまったと考えました。詩人の方も、話し合った結果、了承していただいたと聞いています」
「講演者の詩人がタイトル考えた」
タイトルについては、埼教組の執行委員長は、「もともと詩人の方が付けたと聞いています」と明かした。
ネット上では、日本の童謡「チューリップ」を元に詩の表現として考えたのかといった声や、「さいた」という表現に「さいたま」をかけた言葉遊びではないかといった指摘が出ている。この点については、「原発への何らかの思いがあって付けたのだと思いますが、詳しいことは本人でないと分からず、承知していません」とした。
埼玉県では、三郷市などが「放射線ホットスポット」になると識者らから指摘されているが、そのこととタイトルが関係するのかについても分からないという。
講演をする予定の詩人は、メディアやネット上で、政府の原発事故対応ぶりを繰り返し批判している。集会では、反原発の考え方を打ち出しているが、執行委員長は、「詩人の方がどのような立ち位置かは承知していませんが、集会の趣旨には賛同していただきました」と言っている。
東京都内在住の詩人に取材しようとしたが、外出中だったため話は聞けなかった。
「セシウムさいた」で講演 埼玉県教組の集会 批判受け表題変更
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2012.3.8 00:11
埼玉県教職員組合などが10日にさいたま市内で開く集会で、「さいたさいたセシウムがさいた」と題した米国出身の詩人による講演を計画していたことが7日、分かった。
演題は、講演を行う中原中也賞詩人のアーサー・ビナード氏の発案。同教組などは同氏の意向をそのままくみ、参加を呼びかけるビラを配布した。
副題は「3・11後の安心をどうつくり出すか」で、東電福島第1原発事故に伴う放射性セシウムを指しているのは明らか。数日前からインターネットの掲示板などで「被災者の気持ちを逆なでしている」「この表題をなんとも思わない教師が教壇に立っているのか」との批判が相次いでいた。
批判が殺到したことから主催者側は7日、表題の変更を決めた。ただ講演は予定通り行い、ビラの回収は物理的に「できない」としている。
セシウムをめぐっては東海テレビが昨年8月、情報番組で岩手県産米のプレゼント当選者を「セシウムさん」と表示したことが問題となったことがある。
講演タイトルに「セシウムさいた」=批判相次ぎ削除―埼玉県教組
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2012年 3月 8日 14:12 JST
埼玉県教職員組合などが開催する講演会のチラシに「さいたさいたセシウムがさいた」とのタイトルが記載され、同組合などへ「不謹慎だ」などの批判が相次いでいることが8日、分かった。同組合はタイトル部分を削除するという。
同組合によると、講演会はさいたま市内で10日に開催される「2012国際女性デー埼玉集会」の中で行われる。タイトルは、講師の米国人詩人アーサー・ビナードさん(44)が1月に発案。「花が咲いて楽しく迎える春を、原発事故が台無しにした、ということを伝えたかった」と話していたという。
[時事通信社]